――――……兄上。もっと、行儀よく出来ないのか;
――――ええっ! だって、だって! アッシュや、母上、それに父上とこうやって食事するのが久々でうれしいんだもん! 俺!!
――――まぁ、ルークったらwww

隣で足をブラブラとさせながら椅子に座る俺の姿を見て、アッシュが呆れたようにそう言ったので、それに反抗するかのように俺は顔を膨らませてそう言い返した。
それを聞いた母――シュザンヌは、嬉しかったのか笑みを浮かべる。
最近は、父――クリムゾンの公務が忙しく、こうして家族で集まって食事をすることは稀だった。
だから、今日それが出来ることだけでルークは嬉しいのだ。

――――……あれ? なんで、アッシュのチキンにだけソースがかかってるの?

すると、ルークはメイドたちが運んできた料理を見て首を傾げた。
それは、アッシュのチキンソテーだけに美味しそうなタルタルソースがかかっていたのだ。
俺、母上、父上のにはかかっていないのに、アッシュのにだけ……。

――――あぁ、これか……。最近、このソースで食べるのが気に入ってるんだよ。
――――そうなんだ! だったら、俺も……。
――――いえ。ルーク様は、いけません。そのまま、お召し上がりください。
――――えっ……?

アッシュが美味しいと言ったそのソースを俺も食べてみたいと思ってそう言ったら、それを何故メイドに止められた。
おかしい。
どうして、アッシュはいいのに、なんで俺はダメなのか……。
そう考えた時、ルークの頭の中に嫌な予感が過った。

――――アッシュ! そのチキン、俺にもくれ!!
――――! いけません、ルーク様!!
――――っ!!
――――! 兄上っ!!?

そう思った瞬間、俺は、何の迷いもなくアッシュの皿に盛られていたそのチキンを口にした。
自分の考えたことが間違いであってほしいと願いながら……。
だが、その行動を必死に止めるメイドの声を聞いて、それが間違いでないことを理解した上で、無視して食べる。
アッシュを守りたいと思ったから……。
アッシュのチキンを口にした瞬間からの俺の記憶は曖昧になる。
ただ、覚えていることは、俺のことを必死で呼びかけるアッシュの声だけだった。


~緋色の代償~

「……で、話ってなんだよ;」
「今日は、私たち、ユーリにお願いがあってここに呼んだの」
「お願い?」

夕食を済ませたユーリは突如、アンジュから呼び出しを食らった。
場所は、何故か夜の食堂だった。
そこにユーリが訪れるとアンジュだけでなく、ロックス、クレア、リリスといった主に食堂で食事係を任されているメンバーたちが揃っていたのだが……。

「……なんで、お前までいるんだよ?」
「俺は、クレアが心配だから」
「あっ、そう……」

長い銀髪の髪を三つ編みした青い瞳を持つ青年がここにいることに少し疑問を感じたユーリがそう尋ねると、青年――ヴェイグはそうあっさりと言った。
それを聞いたユーリは、あっさりと納得する。
まぁ、この青年、ヴェイグはクレア中心で動いていると言っても過言ではないし……。

「……で? なんだよ、そのお願いってやつはさぁ?」

面倒なことは、さっさと済ませて寝たい。
その時のユーリは、そう考えていた。

「お願いは、ルークの事なんだけど」
「? 坊ちゃん?」

だが、アンジュの言葉を聞いたユーリは、その考えを改める。

「坊ちゃんがどうしたって?」
「実は……ルーク。私たちの作ったご飯、全然食べてくれないの」
「えっ?」

そう言ったクレアの言葉にユーリは驚く。
そのユーリの表情を見たロックスが話を続ける。

「はい……。一応、ルーク様に何とか食べてもらいたいと思って、色々と努力はしてみたんですけど……。『これに何が入ってるの?』とか色々と訊かれてしまって……。結局、最後は『これ、入ってるなら、食べない』と言われて、殆ど口を付けてもらえないのです」
「それって……いつからだよ?」
「ギルドに入ってからずっとよ」
「!?」

リリスの言葉にユーリは瞠目する。
それは、明らかにおかしいだろう?
だって、あいつがこのギルドに加入してから、もう何日経ってると思ってるんだ。
少なくても十日以上は経っているはずだ。
そんなに食事を摂らなければ、流石に身体が持たないはずだ。

「おいおい。それって流石にまずくないか?」
「そうなのよ。このまま、放っておいたら、きっとルークは倒れてしまう。それも、これは単なる好き嫌いが原因じゃないと思うのよ」
「だから、その原因を調べて欲しい? ってところか?」

ユーリの言葉にアンジュたちは深く頷いた。

「ユーリ、お願いよ。こんな事、ルークの面倒を頼んでいる、あなたくらいにしか頼めないの」
「ユーリ様、僕からもお願いします! ルーク様のお身体が心配なんです……」
「……しゃーねぇなぁ;わーったよ、調べてやるから」

ロックスたちにそう言われたら、断ることも出来ない。
それに何より、オレ自身もあいつのことが心配でもあるし……。
ユーリの言葉を聞いたアンジュたちの表情がパッと明るいものへと変わる。

「本当ですか! ありがとうございます、ユーリ様!!」
「けど、その為に、ちょっとこっちもお願いしたいことがあるんだけど」
「?」

ユーリの言葉に不思議な表情を浮かべるロックスたちにユーリはニッと笑うのだった。





* * *





「……ユーリさんって、こんな依頼も受けるんですね!」
「まぁな。オレ、結構こういうの得意だし♪」

真夜中の食堂でそう会話をしながら、ユーリとルークはフルーツを切っていた。
ルークが食事を全く摂らない件を調べる為、ユーリはロックスたちに頼んで真夜中に食堂を使用することを許可してもらった。
そして、ルークを呼び出し、依頼と称してユーリの趣味でもある菓子作りをルークに手伝わさせることにした。
依頼内容にルークは最初は疑っていた様子だったが、ユーリの菓子作りの手際の良さに納得した。
ルークは慣れない包丁に四苦八苦しながら苺を切っている。

「おいおい、坊ちゃん。苺、繋がってるじゃんか;」
「! しっ、仕方ないじゃないですか! 俺、料理なんて、今までしたことないですし……」
「剣の腕前は結構いいのに、包丁は全然なんだなぁ♪」
「っ///」

そう言いながらユーリは見事に繋がった苺を手に取って茶化すと、ルークは顔を真っ赤にした。
その初々しい反応がユーリには可愛くて仕方ない。

「だっ、大体、何で俺がユーリさんの助手何ですか? 助手だったら、フレンに頼めばいいじゃないですか!」
「坊ちゃんは知らないだろうが、あいつは味覚音痴なんだ。あいつに任せたら……とんでもないものができる;」

フレンは、レシピ通りに作らせればちゃんと素晴らしい料理ができる。
だが、あいつの悪い癖は、独自にアレンジを加えて、とんでもない料理を作り出すことだ。
そのせいで、何度危ない目に遭ったことか……。

「そうなんですか? なんか、ちょっと、意外ですww」
「だから、あいつが作った料理は気をつけろよ。長生きしたいなら」

驚くルークにそう言いつつ、ユーリは菓子作りを続けていく。
そんなユーリの姿をルークは興味津々なのか、ジッと見つめている。

「よし! いい感じで、生クリームが出来たな!」
「凄い……」

ユーリは生クリームを指で掬って自ら味見をすると、味付けが完璧であることを確認した。
どんな理由であっても、菓子作りに対して一切妥協する気は、ユーリにはなかった。
そんなユーリの姿をルークは心の底からそう呟いた。

「……坊ちゃんも味見してみるか?」
「えっ!?」

そのユーリの言葉にルークは驚いたようにそう言った。
「なんだよ? オレが作ったの、味見できないのか?」
「いっ、いや……そういうわけじゃ……」
「あのなぁ、これは依頼されて作ってる奴なんだよ。それが変な味だったら、ギルドの信用も落ちるだろ? だから、坊ちゃんも味見する。ほら!」
「…………」

そう言ってユーリは、再び生クリームを指で掬うとそれをルークへと突き出す。
ユーリの作戦としては、何でもいいからとりあえずルークに味見と称して物を食べさせることから始まる。
だが、やはりこの作戦は無理があったのか、ルークは困惑の表情を浮かべるだけだった。

(……やっぱ、駄目か)

そう思ったユーリが指を引っ込めようとしたその時だった。

「っ!!」

突如、ユーリの指は、引っ張られる。
それは、ルークが自分の口へと引き寄せる為で、そのままユーリの指に付いた生クリームを舐め始めた。

「……あっ、本当だ! ユーリさんの作った生クリーム、甘くてすっごく美味しいですっ!!」
「っ////」

そう言って笑うルークの顔を見てユーリは思わず目を逸らした。
これは、色々とヤバかった。
何故、オレは味見として生クリームを選んでしまったのだろうか?
あんな風に指を舐められたら……。
落ち着け、ユーリ・ローウェル。
まだ、ここで襲うべきではない。
そう頭の中で何度も自分に言い聞かせながら、ユーリは理性を保つ。

「? ユーリさん、どうかしましたか?」
「へっ? なっ、何でもねぇよ!!」
「そうですか。なら……いいんですけど……?」

ユーリの理性が崩壊しかかった原因であるルークは、ただ不思議そうにユーリを見つめていた。

「……坊ちゃん。ちょっと……オレから一つ助言しとくわ」
「えっ? 何ですか?」
「……その舐め方。……エロいっから、他の奴には絶対するなよ。下手すると、襲われる」
「? おそ……われる??」
「だあっ! そこは、あんまり気にすんなっ!!」

ユーリの話をルークは素直に聞いていたのだったが、自分の知らない言葉が出てきたのか首を傾げた。
それは、ルーク坊ちゃんが知る必要にないものなので、どうにかユーリは誤魔化す。
くっそぅ。なんで、あの時の味見を苺にしなかったんだろうか……。
そんなことを今更いくら考えてももう遅いのだが……。
だが、とりあえず作戦の第一段階は成功した。
次にやることは作戦第二段階だ。

「そんなにオレの生クリーム舐めて。……お前、もしかして……腹減ってんのか?」
「! べっ、別に、腹なんて――」

ユーリの言葉にルークは反論しようと口を開いたが、それは何とも間の抜けた音で遮られた。
それは紛れもなくルークの腹の音で、ルーク自身も赤面している。
その姿を見たユーリは、思わず笑ってしまった。

「わっ、笑わないでくださいっ!」
「ははは、悪い。あんまりにもいい音だったからなぁ」
「…………」

そう言ったユーリの言葉に対してルークは、必死に睨んでいるが、ユーリにとっては痛くも痒くも感じなかった。

「それじゃぁ、坊ちゃんにでも簡単に作れる料理を先に作りますか」
「えっ? そんなことしていていいんですか!?」
「そんなデカい腹の虫鳴らされたら、こっちが菓子作りに専念できないだろ?」
「そっ、それは……」
「だから、文句言わずに食べる」

そう言いながらユーリは冷蔵庫の中から生卵を一つ取り出す。
あと、炊飯器の蓋を開けてご飯が炊けているかを確認する。

「……何、作るんですか?」
「何って……卵かけごはん」
「? たまごかけ??」
「やっぱ、坊ちゃんはそんな料理知らないわな;」

首を傾げるルークに対してユーリは苦笑した。
流石は、お坊ちゃん、と言ったところだろう。

「いいか。こうやってごはんをお茶碗によそうだろ。この時、真ん中をちょっと窪ませるのが、ポイントだぞ。後は、窪みに生卵を割り入れて、この醤油を好みの量を掛けて混ぜれば、出来上がり」
「ええっ!? それだけ!?」
「そう。それだけ」

ユーリは卵かけごはんを作りながら、そう説明するとルークは心底驚いた表情を浮かべた。

「まぁ、いいから、騙されたと思って食ってみろよ」
「……あんまり、騙されたくないんですけど;」
「そこは気にすんな。ほら、食べる」
「あっ、はい……」

ユーリの言葉にルークは少し戸惑いつつも、ユーリに言われるがままスプーンを手に取って口に運んだ。

「…………美味しい」

そして、心の底からそう思ったのか、ルークの口からそう言葉が漏れ出る。

「凄いです! こんなにシンプルなのに、すっごく美味しいですっ!!」
「!!」

まるで子供のように目をキラキラ輝かせてそう言ったルーク言葉にユーリは瞠目する。
ロックスたちから聞いた話と今目の前にいるルークは明らかに違っていた。
ただ、普通の卵かけごはんに凄く感激して美味しそうに頬張っている。
一体、ロックスたちと今の状況の何が違うっていうんだ?

――――はい……。一応、ルーク様に何とか食べてもらいたいと思って、色々と努力はしてみたんですけど……。『これに何が入ってるの?』とか色々と訊かれてしまって……。結局、最後は『これ、入ってるなら、食べない』と言われて、殆ど口を付けてもらえないのです。

そして、ふと思い出しのは、ロックスのあの言葉だった。
もしかすると、こいつは……。

「……なぁ、坊ちゃん」
「?」
「お前……料理に何が入ってるかわからねぇと、怖くて口に出来ないのか?」
「!?」

そのユーリの言葉を聞いたルークの手が止まり、驚きの表情を見せる。
それだけでユーリが言ったことが当たりであることがはっきりと分かった。
今、ルークが口にしたものは、すべてルークの目の前で作ったものしかないのだから……。

「当たりか?」
「……一応、隠していたつもりだったんですけど……。ユーリさんには、バレちゃうんですね」
「バレたくないんだったら、もっとうまくやれよ。ロックスたちが心配してたぞ。お前が全然飯食ってくれねぇって」
「そっか……。ロックスたちに悪いことしちゃったなぁ……」

ユーリの言葉を聞いたルークは本当に申し訳なさそうな表情を浮かべた。
この表情からルークがロックスたちにしたことは、決して悪意があったからやったわけではないことがよくわかる。

「で、どーしてそうなっちまんたんだ?」
「……やっぱり、話さないとダメですか?」
「話さないとお前、ずっとそのままだろ? 少しでも良くしたいと思うんだったら、話してみろよ。……無理して全部はしゃべらなくていいからさ」
「…………子供の頃……家族で食事した時でした」

ユーリの言葉を聞いたルークは、少し考えてから、少しずつ言葉を選びつつ言葉を紡ぐ。
それが、アドリビトムのメンバーのことを考えて、少しでも状況をよくしたいというルークの答えだろう。

「俺の家族は、父上と母上。……そして……双子の弟がいるんです。その時は、忙しい父上の仕事も一段落したから久しぶりに家族揃っての食事でした」

昔話をするルークの表情はとても穏やかなものだった。
それだけ、こいつにとって大切な思い出だったのだろう。

「でも……その時、弟に出された料理が……俺や父上、母上とは違って……チキンにソースがかかっていたんです。俺も弟と同じように食べたいって言ったら、メイドに止められました」

ルークの言葉を聞いたユーリは眉を顰めた。
ルークの話は明らかにおかしい。
そして、その理由もルーク自身わかっていた上で話を続ける。

「その瞬間、俺は……弟の料理を態と欲しがってそれを口にした。その料理に……毒物が混入されていたことを直感で分かったから」
「!!」

そして、ルークの言葉を聞いたユーリは瞠目した。
こいつは、全部分かった上で毒入りの料理を食べたのだ。
全ては、自分の双子の弟を守る為に……。

「俺……その料理を食べた後の記憶が曖昧なんですけど……弟の話だと、三日三晩魘されたまま目を覚まさなかったらしいです。そのせいで……仲の良かったメイドの人も捕まって……みんなで集まって食事することもなくなってしまった……」
「…………」
「で、そのせいなんですかね? 調理された食べ物を口にすると、また、同じことになっちゃうんじゃないかって変に考えちゃって……。気が付くといつも戻してしまっていた。だから、ここではなるべく人の手が入っていないフルーツやサラダばっかり食べてました。ここにいる人たちは、そんなことする人たちじゃないって……頭ではわかっていたのに……」

ここにいる人たちは、みんな本当にいい人たちばかりだ。
それが、頭では理解できているのに、心が、身体が付いてきてくれない。
本当にどうしようもない奴だとルーク自身思っていた。

「…………た……なくて」
「えっ?」

ルークの話をこれまで黙って聞いていたユーリから小さな声が漏れ出て来る。
何処か悔しそうにそう聞こえたユーリの声。
だが、その言葉をルークは、聞き取ることが出来なかった。

「大丈夫だ。それ、お前のせいじゃねぇよ。自分のせいにして、あんま責めんな」
次にユーリの口から発した言葉はとても優しく、そしてルークに言い聞かせるように頭を撫でてやる。
こいつは、ずっとそうやって自分のことを責めていたのだろう。
けど、それは決してルークのせいではない。
ルークの双子の弟に毒を持ったメイドが悪いし、寧ろルークは身体を張って弟のことを守ったのだ。
正直のところ、もう少し自分の身体を大事にして欲しいというのが本音ではあるが……。

「!!」

そんなユーリの行動にルークは心底驚いた表情を浮かべていた。

「さーて、後はどーやって、これを改善するかだけど……坊ちゃん。暫く食堂の手伝いをするってのは、どうだ?」
「えっ?」
「今の話を聞いた限り、坊ちゃんは料理に何が入っているのか、わからんねぇと食えないんだろ? だったら、食堂で手伝いをして、それを知るのが一番手っ取り早いんじゃないか?」
「でも……俺にそんなこと出来ますか?」
「出来なくても、やるんだよ」

戸惑うルークにそうユーリは、はっきりと言った。

「最初から旨く出来る奴なんていないんだよ。迷惑かけたっていい。ロックスたちだったら、きっと喜んでフォローしてくれるぞ。仲間なんだからさ」
「仲間……」
「アンジュやロックスたちには、オレから言ってやるから……どうする?」
「…………やってみます」

ユーリの言葉を聞いたルークは、少し考えてからそう言った。

「俺……ちゃんと食べられるようになりたいから……。毎日、みんなの為に、一生懸命食事の準備をしてくれてることを知ってるから!」

だから、ちゃんと食べられるようになりたい。
ちゃんと食べて美味しいと、作ってくれてありがとうと言えるようになりたい。

「よし! じゃぁ、決まりだな!!」

そのルークの決意が伝わったのか、ユーリはニッと笑うとルークの髪をくちゃくちゃと撫でてやる。
その感触がとても心地よかった。

「じゃぁ、それさっさと食っちまえよ。菓子作りが終わんねぇぞ」
「あっ、はい! あの……ちなみになんですけど、これの依頼者って誰かって俺が訊いても大丈夫ですか?」
「あ゛っ、あぁ……それは……」
「?」

ルークの何気ない質問に何故かユーリは困ったような表情を浮かべた。
それに対してルークは不思議そうに首を傾げた。

「……悪い。これが依頼っていうのは、嘘」
「ええっ!? じゃぁ、なんで……」
「依頼っていうより、お礼だよ。ロックスたちへの」
「!!」

ルークのことを心配して、真夜中にも関わらず食堂の使用を快く許可してくれたロックスたちへのお礼。
それを聞いたルークは急いで卵かけごはんを食べるとユーリの菓子作りの手伝いを再開させるのだった。
この日、食べた卵かけごはんの味をルークは一生忘れないのだった。








緋色シリーズ第2話でした!
はい!今回の回でユーリさんがルークに対しての『ほっとけない病』を発病させました♪
そして、爽やか王子様こと、フレンさんの登場です♪
フレンさんもルークのことが気になるようで、ユーリさんの警戒がMaxで面白いwww
けど、ルークは、何故フレンさんにはあの質問をしなかったのかということは、また話を進めるうちに明らかになるかも…。


H.30 7/15