「………………はぁっ?」
風柱・不死川実弥は、非常に混乱した為、一度屋敷の入り口まで戻る事にした。
昨晩の任務で疲れすぎて、違う奴の屋敷に来てしまったのではないかと、一瞬思ったからだったが、そこは間違いなく、己の屋敷だった。
それを今一度確かめてから、再び庭先の方へと足を進めると、やっぱり信じらない光景がそこには広がっていた。
庭先の縁側にあの鬼――竈門炭治郎がスヤスヤと眠っているという光景が……。
~どんなにうちのめされても守るものがある~
(おいおいおい……こいつはァ……一体どいう状況なんだよォ!?)
何でよりによって、あの鬼が俺ん家の縁側で寝ているんだァ?
マジで意味がわからなねぇぞォ……。
そう思った実弥は念の為、周囲を見渡したが、炭治郎以外はこの場には誰もいなかった。
あの変な鳥も、妹の隊士もいないのだ。
コイツだけが何故かここにいて、無防備に寝ていた。
でも、一体どうやってここまでやって来たんだァ?
しかも、この前見た時よりもまた身体が縮んでいて、容姿が幼くなってやがるし……。
そんな事を考えていた実弥は、縁側の近くに傘が転がっている事に気が付く。
それを見た実弥は、彼がこれを差して独りでここまでやって来たのだと、そして、やって来たのはいいが、誰もいなかった為、そのまま疲れてここで眠ってしまったのだとそう解釈をした。
(つーか……何しに来たんだよォ、コイツは?)
正直言って、コイツとは、あまり関わりたくないと思っていた。
それは、あの日にコイツの話を聞いて、余計にそう思った。
そうしないと……。
「……おい……起きろォ」
「…………」
とりあえず、この間にしておくのも嫌なので、さっさと帰らせようと思った実弥は、そう言って炭治郎を起こそうとした。
だが、ただ声をかけたくらいでは、今の炭治郎は全く起きないようだった。
でも、これ以上の事はしたくないとは、実弥は思わなかった。
多分何時も調子だったら、こんな奴なんかすぐ引っ叩いてでも起こしていたに違いない。
それを今しようとは思わなかったのは、多分、コイツの容姿のせいだ。
今、幼子の姿をしているから、手を出しづらいのだ。
この前、あったくらいの、少年の容姿だったら……。
(くそっ! 余計な事、考えるのは、ヤメだァ! ヤメ!!)
このまま放置していれば、そのうち勝手に目を覚ますだろう。
そう思い直した実弥は、炭治郎はここにいない者と見なして、そのまま庭で鍛錬をする事にした。
「…………だあっ! 全っ然! 気が散って集中できねぇじゃねぇかよォ!!」
だが、それも実際には、長くは続かなかった。
理由は、とても単純だった。
実弥が、庭で鍛錬をしていると、縁側の方から何やら焦げ臭い匂いとジューッという音が聞こえてきたのだ。
それに気付いた実弥が、縁側へと行くと、眠った事で体力が回復したのか、先ほど見たより少しだけ成長した炭治郎の身体が着物からはみ出しており、その部分が丁度陽によって炙られていたのだった。
時間の経過と共に陽射しの向きも変わっていく為、先程までは日陰だった縁側も少しだけ陽の光が当たるようになっていたのだ。
鬼である炭治郎にとって、陽の光は致命傷になり兼ねない。
(ってか! こんなに炙られてんのに、それでも、起きないのかよォ、コイツはァ!?)
その事に内心驚きつつも、実弥は自分が来ていた羽織を脱ぐと、何の躊躇いもなく炭治郎に被せてやり、それ以上陽の光に直接当たらないようにしてやった。
だが、これだけでは、対処は不十分だ。
寝ている間に身体がどんどん成長するので、完全に陽の当らない場所へ運んでやらないと、また同じ事になり兼ねない。
(……布団……そのままにして、出て行ってたっけかァ……?)
昨日は、急いでこの屋敷を後にした為、布団もそのままだったと思いつつも、それを確かめようと実弥は、その場から一旦離れようとした。
「…………なァ!?」
だが、その途端、突如、背後から誰かに、いや、炭治郎に抱きつかれた為、実弥は体勢を崩してそのまま倒れ込んでしまった。
一応、受け身を取りつつ、炭治郎の事も無意識に庇って倒れるのだった。
「っ! ……テッ、テメェ……」
「…………さい」
「アアッ!?」
「……ごめん……なさい……っ」
「っ!?」
流石に堪忍袋の緒が切れそうになった実弥が声を荒げようとした時、炭治郎の寝言が聞こえてきた。
そして、その目には、涙も溢れていた為、思わず実弥は息を呑んでしまった。
「…………ぜん……ぶ……俺の…………ごめんな……さいっ……」
「…………」
そう泣きながら寝言で謝り続ける炭治郎に対して、実弥は言葉を失ってしまった。
何でだァ? 何でコイツは、謝ってるんだよォ?
何で、コイツは、こんなに泣いてるんだよォ?
何で、何でが実弥の頭の中にどんどん湧き上がってくる。
――――……兄ちゃん……ごめんなさいっ……。
そして、そんな炭治郎の姿が、何故だか昔の弟の姿と重なってしまった。
「…………大丈夫だ、お前のせいじゃ……ねぇからァ……」
そのせいだろうか。気が付いたら、実弥は、炭治郎の頭を優しく撫でながら、そう言っていた。
炭治郎の髪は、思ってたより、ふわふわとしていて優しい感触だった。
このままずっと撫でていたと、錯覚してしまいそうになるものだった。
(あー……もう……めんどくせェ……)
とりあえず、今いる位置なら、陽の光が差し込んでくる事もなさそうだった。
だから、これ以上は実弥は、その場から動こうとはしないで、炭治郎が目を覚ますまでずっと、そのままの体勢で過ごす事にするのだった。
* * *
「…………本当に……すみませんでしたっ!!」
そして、それから数十分後、漸く目を覚ました炭治郎は、実弥に対して、全力で土下座をした。
それを見た実弥は、その凄まじさから若干引いてしまった。
「本当にすみませんでした! 不死川さんを待っていようと思っていただけなのに……居眠りをしてしまっただけでなく……あんな事まで……」
「…………もういいから……さっさと顔上げろよォ……」
「でっ、ですけど……」
「いいから、上げろォ! じゃねぇと――」
「っ!」
「殴るぞぉ」
「……それ……殴る前に普通言いませんか? あと……拳、大丈夫ですか?」
「…………」
炭治郎の頭を思いっきり殴った実弥だったが、彼の予想以上の石頭に手を痛めてしまった。
「お前……頭、硬すぎじゃねェ?」
「はい! これは、母親譲りなんです!」
「そんな事誇らしげに言うんじゃねぇよォ! ……で? 一体何しに来たァ?」
「あっ! そうでした! すっかり忘れてました!!」
その実弥の言葉を聞いた炭治郎は、苦笑してそう言った。
そして、部屋の隅っこに一度移動し、再び実弥の近くに戻って来ると、その手には小さな包みがあった。
「これを……不死川さんに渡したくて、今日は来ましたっ!」
「? 何だよ、これェ?」
「おはぎです! 俺が作りましたっ!!」
そう言いながら、炭治郎は包みを広げて、小箱を開けた。
そこから現れたのは、綺麗に敷き詰められた美味しそうなおはぎだった。
「……何でだよォ?」
「あれ? 不死川さんは、おはぎが好きだと思ったから作ったんですけど……間違ってましたか?」
その実弥に問いを聞いた炭治郎は、不思議そうに首を傾げてそう言った。
「初めてお会いしたあの日も、あなたから仄かにもち米とあんこの匂いがしたので、おはぎが好きなんだと思っていたんですけど?」
「俺が訊きてぇ事は、そういう意味じゃねェ! なんで、テメェがおはぎなんかを作って俺に持って来たかって事だよォ!?」
「何でって……それは、もちろん、この前のお礼ですけど?」
「おっ、お礼……だとォ?」
今度は、炭治郎の言葉を聞いた実弥の方が戸惑った。
俺は、コイツにお礼を言われるような事なんて、何一つしていないのに……。
「えっ? だって、あの時、不死川さんが俺の事を刺して、不死川さん自身も血を流してくれたから、禰豆子は今でも鬼殺隊に残れたわけですし……?」
そんな実弥に対して、ひょとんとした表情を浮かべながら、炭治郎は言った。
「だから、ちゃんとお礼を言いたかったんです。……ありがとうございました。禰豆子の事を認めてくださって!」
「っ!?」
何でお前は、そんな風に笑って俺に対して、俺を言えるんだよォ?
俺は、あの時、本気でお前の事を刺したのに……。
それなのに、どうして……。
「それに……おはぎは、俺が作りたかったというのも、理由の一つなんです。そうしないと……作り方自体忘れてしまいそうで……」
「!?」
実弥は、炭治郎の手が微かに震えている事にこの時になって漸く気が付いた。
コイツは、きっと何時も恐れているのだ。
何時、心も鬼になってしまうのかという恐怖とずっと独りで闘っているのだ。
それを理解してしまったら、おはぎに手を伸ばさずにはいられなかった。
そのおはぎの味は、以前食べたおはぎの味によく似ていた。
二年前に口にした形が崩れたあのおはぎの味に……。
「…………うまいよ、これァ」
「本当ですか! 味見が出来ないので、ちょっとだけ不安だったんですけど、そう言ってもらえて、本当に嬉しいですっ!!」
「……何でだよォ?」
本当に嬉しそうに笑ってそう言った炭治郎に対して、実弥は自然とそう口を開いていた。
「何であの時、あんな事、言ったァ?」
「? あの時?」
「……何で俺を……斬首して欲しい相手に指名したのかって、訊いてるんだよォ」
いくら考えても、それだけはどうしても、わからなかった。
昔から知っていたであろう冨岡だったら、まだわかる。
それなのに、コイツは、あの日初めて会った俺の事をその相手として指名した。
その理由が全然わからなかった。
それを聞いた炭治郎の表情がこの時初めて曇った。
「それ……やっぱり、知りたくなりますか?」
「当たり前だろがァ。こっちは、勝手に名指しされ、いい迷惑だったし……。本当に迷惑かけたと思ってんなら、教えろォ」
「…………でしたら……もう一つだけ、俺のお願いを聞いてもらえますか?」
実弥の言葉を聞いた上で炭治郎は悩んだ結果、そう口を開いた。
「あともう少しだけでいいので……冨岡さんと仲良くしてもらえないでしょうか?」
「はあァ!?」
そして、炭治郎の口から出たとんでもないお願いに実弥は、思わず声を上げてしまった。
そんな実弥を見て炭治郎も驚いたように声を上げる。
「何でそんな反応をするんですか? 別に俺は、そんなに難しいお願いをしていませんよ? 冨岡さんと仲良くして欲しいとしか?」
「それが、どんだけ難しい事かテメェは、わかって言ってんのかァ!? あいつは、俺らの事を見下してんだぞォ!?」
「それが、そもそも誤解なんです!!」
実弥の言葉を聞いた炭治郎は、思いっきり首を振ってそれを否定した。
「冨岡さんは、極端に言葉が少ないだけなんです。頭の中では、物凄く色んな事を考えていて、それをそのまま口にしたらいいのに言わないから、皆さんに誤解を招いてしまっているだけなんですっ! 実際に冨岡さんは、不死川さんの事を凄く信頼しているんですよっ!!」
「あっ、あいつが……かァ?」
「はい! 冨岡さんは、言ってましたよっ!!」
何だァ? さっきから、周囲が煩いような気がした。
コイツが、あいつの名前を口にする度に……。
「『あいつは、俺なんかより強いし、尊敬もしてる。だから、安心して俺の任務も任せられる』って!」
――――…………そうか……不死川には……無理だったのか……。
「!!」
その炭治郎の言葉を聞いた実弥は、唐突に約二年前に言われた義勇のあの言葉を思い出した。
コイツが、今言った事が本当なら、あれも言葉が足りてなかったという事なのかァ?
(だとしても、少なすぎるだろォ!?)
あれだけを聞けば、馬鹿にされたと受け取る以外はない。
あいつの事を本当に理解していないと無理な話だ。
だが、それでも――――。
「それが本当だったとしてもだァ! あいつが俺らの事を見下している事には変わりねぇだろうがァ!!」
そうだ。あいつは、俺だけでなく、他の柱たちの事も見下しているのだ。
『俺は、お前たちとは違う』と言ったあの言葉が何よりもその証拠だ。
その実弥の言葉を聞いた炭治郎が、何処か哀しそうな表情を浮かべた。
別にコイツに対して、言ったわけでもないというのに……。
それが、何故だか妙にイラついた。
「それは……冨岡さん自身の問題なので、俺の口からは詳しくは言えませんけど、違うという事だけは、はっきり言っておきます。寧ろ、逆なんです。冨岡さんは……ずっと、自分が柱には相応しくないと思って生きていたんです」
「はぁ? 何だよ、それ?」
「それを知りたいと思うのなら、冨岡さんと直接話をして訊いてみてください。……きっと、あなたになら、冨岡さんは話してくれると思いますよ。多少、時間はかかってしまうかもしれませんが……」
「…………何でだよォ?」
そう苦笑しながら言った炭治郎の言葉に実弥は、自然と口を開いた。
相変わらず、あの妙に煩い感じは全然治まらないままだった。
「お前は、何でそんなにあいつと俺を仲良くさせたいんだよォ?」
「何でって言われましても……柱同士なら、仲良くした方が連携が取りやすくないですか?」
その実弥の問いに炭治郎は、不思議そうに首を傾げてそう言った。
「それに……俺は、冨岡さんには、ずっと笑っていて欲しいので」
「っ!!」
まただ。また、更に騒がしくなってきた。
コイツが、あいつの事を話す時、何処か哀しそうに微笑むと煩くて仕方ない。
そもそも、俺とあいつが仲良くなったところで、あいつが笑えるのかはわからないが……。
俺といるより、コイツと一緒にいた方がずっと――――。
「……あの……不死川さん? 大丈夫ですか?」
「っ!?」
そして、気が付いた時には、心配そうに覗き込んでくるコイツの顔があった。
鬼であるはずなのに、決して人間の時から変わらないであろう赤みがかったコイツの瞳が、不覚にも綺麗だと思ってしまった。
そして、この時になって、漸く気付いてしまった。
今まで煩かった音の正体が何だったのかが……。
「不死川さん?」
「! わっ、わかったから! それ以上、近づくなァ!! ……心臓に悪いわァ!!」
「? あっ、はい……。すみません……」
そう実弥に言われた炭治郎は、素直に従うと、実弥から少しだけ距離を取った。
「……今すぐには、出来ねぇかもしれねぇが……一応、努力だけしてやる。だから……俺のさっきの質問にさっさと答えて、帰れェ」
「…………正直、お館様にああ言われた後……俺も少しだけ後悔したんですけど……それでも……聞きたいですか?」
「ここまで引っ張っておいて、何言ってやがる? さっさと言いやがれェ!」
「…………」
実弥の言葉を聞いた時、炭治郎は本当に申し訳なさそうな表情になった。
だが、漸く覚悟を決めたのか、その重い口を開いた。
「…………あの時のあなたからは、とても強い信念の匂いがしたからです。……絶対に鬼を許さない。俺という存在を認めないという信念の匂いが……。だから、あなただったら、大丈夫だと、あの時の俺は思ってしまったんです」
――――…………炭治郎。今の言葉で、君の覚悟と想いが私には痛いくらい伝わって来たよ。
その哀しい笑みとあの時のお館様の言葉が重なりだす。
そして、何かを警告するかのようにあの煩い音――己の心音が更に大きく響き始める。
「人は……憎い相手なら、その人の命を奪ってもそんなに心に傷を負う事はない。でも……その相手がとても大切な人だったら、きっと一生後悔し続ける事になるんだと、俺は思うんです。本当に他に救う方法はなかったのかと、決して答えない事をずっと考え続けて悩んでしまうと……」
―――――でもね、炭治郎。だからこそ、私たちは君のそのお願いを叶えてあげる事は出来ないんだよ。きっと……この場にいる者には誰も……。
そして、唐突に理解した。
コイツが、あの時、俺の事を指名した本当の理由を……。
コイツは――――。
「俺は……禰豆子や冨岡さんにそんな想いをして欲しくなかった。俺なんかの為に――――」
「!!」
だから、これ以上は聞きたくなかった。
俺から聞きたいと言っておきながら……。
それ以上聞いてしまったら、きっと戻れなくなる。
コイツの望みを聞いてやれなくなる。
そんな事を考えていたら、無意識のうちにコイツの言葉を遮ろうとコイツの身体を押し倒していた。
そして、押し倒された当の本人は、何が起こったのかよくわかっていないといった感じでこちらの事を見つめていた。
「あの……不死――――」
「もうそれ以上はいい。あと……俺の事は、名前で呼べェ」
「えっ? どうしてですか?」
「どうしてだって言われても……」
――――な……あ、実弥……。
そうコイツに言われた時にふと頭に過ったのは、あの時の匡近の姿と言葉だった。
あいつの声は、殆ど言葉とは言えない、息を吐いているだけのものだった事を今でもよく憶えていた。
――――あとは……任せたぞ……実弥…………死ぬなよ……。
「…………俺は……名前で呼ぶ奴の事は、好きにならねぇって……ずっと昔に……そう決めたからだよォ……」
――――実弥くん。最近、傷がまた増えたわね。あなたは優しすぎるから、とっても心配だわ……。
違う。俺は、優しくなんかねェ。
本当に優しい奴は、匡近やカナエのような、コイツみたいな奴の事を言うと俺は知っている。
そして、優しい奴ほど、誰かの為に傷付き、早死にするという事も……。
「あと、偶にでいいから、また……おはぎを作って持って来い。そしたら……作る感覚は忘れずに済むだろうがァ?」
「!!」
実弥がそう言うと、炭治郎は一瞬だけ驚いたような表情を浮かべたが、それはすぐに嬉しそうな表情へと変わった。
「…………はいっ! わかりましたっ! ……やっぱり、実弥さんは、思っていた通り、とっても優しい人ですねっ!!」
「っ!?」
そして、炭治郎のその言葉と陽だまりような笑顔を見て、実弥は悟ってしまった。
俺は、もう既に手遅れだったという事に……。
守るものシリーズの第54話でした!
今回のお話は、実弥さんが炭治郎くんに落ちるお話となっています。
実弥さんが炭治郎くんに振り回されて、めちゃくちゃお兄ちゃんしているところを書くのが、めっちゃ楽しかったです♪
ただ、今まであまり実弥さん視点でお話を書いた事がなかったので、今回の話を書くのが今まで一番大変でした!!
【大正コソコソ噂話】
その一
炭治郎くんが自分が食べられないのに料理をしている理由は、その感覚が鈍ってしまう事を恐れている為です。
料理を作っても自分では食べられないので、誰かに食べてもらって「美味しい」と言ってもらえる事で安心してました。
その二
炭治郎くんは、この日、たまたま蝶屋敷に傘がある事に気が付いた為、ずっとお礼を言えていなかった実弥さんに対して、お礼を言いに行こうと思いつきました。
そして、手ぶらで行くのも悪い気がしたので、おはぎを作って持って行きました。
その三
実弥さんへのお願いは、炭治郎くんは本気で義勇さんと仲良くして欲しいと思ってお願いしています。
でも、きっと、実弥さんはそれを拒否するだろうと半ば諦めていたので、承諾してくれた事に関しては正直驚きました。
※それもあったので、実弥さんの質問を言わない口実の条件として提案してました。
その四
この後、結局、実弥さんは炭治郎くんの事を蝶屋敷まで送っています。
その時に禰豆子と飛鳥と共に柱三人(煉獄さん・宇髄さん・しのぶさん)までが鬼の形相で蝶屋敷の入り口にいたので、かなりビビったそうです。
R.4 1/22