会いたい。
アッシュが無事でいますように……。
~愛しき人形~
フェレス島に着いたルークたち。
その景色は前に訪れたときとあまり変わっていなかった。
(ここに……本当にアッシュがいるのだろうか)
ルークは不安になった。
すると、誰かがルークの肩に触れた。
「どうした、ルーク。具合でも悪いのか?」
心配そうな顔でガイは言った。
「ちっ、違うって。ただ……」
「大丈夫だって。きっとここにアッシュはいる」
ルークが何を考えていたのかわかったのか、ガイは優しく言った。
「うん。……ありがとう、ガイ」
その気遣いが嬉しく思い、ルークは笑った。
「じゃぁ、さっさとアッシュを探すぞ」
ガイもそれに笑顔で返した。
「うん!」
* * *
フェレス島の建物の中をひとつひとつ見て周ったが、アッシュの姿は何処にもなかった。
「これで最後の建物のようですね」
ルークたちはこの島の最後の建物に入った。
すると、中に他の建物とは違い、人の手が入った様子があった。
「どうやら、ビンゴのようですね。もう少し詳しく調べてみましょう」
ジェイドがそう言うと皆頷き、辺りを調べ始めた。
ルークも一緒に調べる。
すると、ルークは壁の一部の色が他とは違うことに気付いた。
「なんでここだけ……」
ルークはその部分に触れてみた。
すると、その部分はへこみ、それと同時にものすごい音が聞こえてきた。
床を見ると、一部の床が動きそこから階段が現れた。
「まさか、こんな仕掛けがあったなんて」
ガイは感心したかのように呟いた。
「じゃぁ、ちゃっちゃとアッシュを探しそう!」
「そうですね。いきますか」
アニスの言葉にジェイドは答えた。
そして、一人ずつ階段を降りていった。
* * *
地下は等間隔に明かりがあったがそれでも薄暗かった。
そして、何処までも続く通路。
それは、まるで迷路のようなものだった。
少し進むと道は二手に分かれていた。
「一体どっちに行ったらいいんでしょう」
「そうですね~。間違った方に行くと出られなくなりそうですしね」
皆、どちらの道に行くべきか悩みだした。ルークを除いて。
ルークは、迷わず左の道へと進みだした。
「ルーク! まだどっちの道に行くか決まってないのに勝手に行っちゃダメよ!!」
ティアは慌ててルークの腕を掴み、止める。
「……こっちにアッシュがいる気がする」
「えっ?」
ルークの言葉にティアは驚いた。
やっぱり、ルークとアッシュは強く繋がっている。
それは、何があっても決して切れることはないのだろう。
「はっきりとはわからない。けど……」
「では、さっさといきますか」
ジェイドは、ルークが選んだ道へと歩き出す。
「何してるんですか、ルーク。あなたが前を歩かないと次に進む道がわかりませんよ?」
「えっ? う、うん」
ルークは慌てて、ジェイドより前の方へと歩き出した。
それから、ルークは先頭で歩いた。
途中何度も分かれ道があったが、ルークは迷わず進んでいく。
すると、ルークたちの目の前に一つ扉が現れた。
「……ここだ」
ここにアッシュがいる。そんな気がした。
すると、ガイが扉の近くまで来てドアノブに手をかけた。
「……開けるぞ」
ガイの言葉に皆頷いた。
それを確認したガイは、扉をゆっくりと開けた。
人形シリーズ第4話でした!!
アッシュに会うところまで書けませんでした!すいませんでした!!
今度は必ず、アッシュが出てきます(たぶん)。
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