誰かの声が頭の中で響く。

――――約束しろよ

約束。
これは、誰との約束だっただろう。
この声は誰だろう。俺は知ってるはずだ。
この声の持ち主は、確か……。

~silent lapse~

ふと、アッシュは目が覚めた。

「ここは……?」

あたりを見渡すと、そこは見覚えのある景色だった。
アッシュがいる場所は、エルドラントだった。

(何故だ?)

何故、俺は生きている。
アッシュは、ふと自分の腹のあたりを触った。

(傷が塞がっている……)

自分は確かに串刺しにされたはずなのに……。
その記憶は今でも鮮明に思い出せる。
しかし、実際には刺された跡は残っていても、傷は完全に塞がっていた。
他に痛いところもなかった。

(一体、何が起こったんだ?)

刺された後、全くと言っていい程記憶がなかったはすだった。
なのに、アッシュの頭の中には、自分の知らない記憶が流れていた。

(これは……。あいつの記憶……?)

浮かんでくるのは、あいつ仲間とヴァン。
ヴァンに打ち勝ち、あいつは仲間と約束をする。
『必ず戻ってくる』と、できない約束を……。
あいつは、ローレライを解放した。
解放して、そしてあいつは……。

「!!」

嘘だ、そんなの嘘に決まってる。
あいつが死んで、俺だけが生きてるなんて……。
アッシュは急いで、フォンスロットを開くと、彼に呼びかけた。

『おい、返事しろ』

(…………)
『返事しやがれ!!』

だが、いくら呼びかけても、返事をすることはなかった。
そして、それは彼が死んでしまったことを証明してしまった。

(なんでだ……)

なんで、生きてるのが俺なんだ。
俺は、あいつが生きていけばいいと思ったのに……。
これから、どうすれば……。
すると、何処からともなく声が聞こえてきた。
声というより、歌だ。

(これは、確か……)

ユリアの大譜歌(だいふか)だ。
そして、この声の持ち主は、ヴァンの妹でもあり、あいつの仲間だった、ティアだ。

(あいつをずっと待っているのか?)

あいつとの約束を果たすために……。
ずっと、彼女は歌い続けるのだろうか。
ずっと、待ち続けるのだろうか。
少しの間、考え込むとアッシュは、立ち上がった。

「お前の変わりに、あいつらとの約束果たしてやるよ」

アッシュは、消えてしまった彼に対して言った。
尤も、彼女たちが自分を待っているわけではないが……。
アッシュは、エルドラントを出ようと歩き出す。

―――――――
「?」

アッシュは、何か聞こえた気がして後ろを振り返った。
しかし、そこには誰もいるはずがなかった。
さっきまで、自分がそこにいたのだから。

「…………気のせいか」

アッシュは、再び歩き出した。
大譜歌(だいふか)の聞こえる、タタル渓谷に向かって。








初めて、小説を書きました!!
どんな風に書いてたいいのか、分からず苦戦しながら書きました(^-^;)
これから、頑張っていきます!!
てか、アシュルクなのに、アッシュしか出てない!!∑( ̄口 ̄)


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